ギックリ腰(急性腰痛)や慢性的な腰痛など
腰痛に関するガイドラインが日本では2012年に大きく変化し話題となりました
ヘルニアや脊柱菅狭窄症が原因になる腰痛は全腰痛の15%と非常に少ない
非特異的腰痛が全腰痛患者の85%
「安静に」ではなく「動ける範囲で動く」
この辺りがそれまでとは違うと取りざたされることが多いように思います
でも実は、こう言う話は10年以上前から海外諸国では言われており
それに沿ったガイドラインも既に作られていたわけです
参考はこの辺り
ただ、一鍼灸師としては気になるのが「鍼灸はイマイチ」という結論
ネットの情報も保存療法でもそういうエビデンス、ということになっています
まぁ術者の技量や知識量による部分も大きく仕方がない部分もある気はします
人の体は人それぞれ違うし、鍼灸師の考え方も違いますし
そんな中アメリカの内科学会が2017年に新しいガイドラインを発表
英語はよくわからないので翻訳サイトの力を借りてポイントだけ列挙してみます
症状 | おすすめの治療 |
急性腰痛 (ぎっくり腰) |
温める治療(やや推奨) 希望がある場合は薬物療法(やや推奨) 特に注釈のないものは強く推奨する |
慢性腰痛 |
運動リハビリ、太極拳、ヨガ、運動制御訓練 注釈のないものは強く推奨 |
薬以外がいまいち効かなかった腰痛 |
第1選択非ステロイド性抗消炎剤 患者の利益がリスク(副作用など)を上回る場合のみ話し合って検討する(推奨度は弱い) |
鍼が急性期、慢性期どちらも腰痛のとき推奨されていますね~
このアメリカ内科学会の腰痛ガイドラインと
日本の整形外科学会の2012年腰痛ガイドラインを比べてみると
- 日本は牽引が好きで鍼を信用していない
- アメリカは鍼が好きで、牽引を信用していない
既に米国では牽引は効果がないと結論付けられているようですね(何かごっつい機械で体を固定して引っ張るやつです…牽引)
鍼灸師としては「牽引より鍼のほうが良いよ!」と言いたいところですが
そこはフェアに考えると
鍼も腰痛には効果がないよ、という論文は確かにでています
牽引で腰痛が軽減された、と言う人もいないわけではない
でもやっぱり病院で牽引や痛み止めで治らなかった人を自分の鍼でよくしてやった!という自負もあったり・・・なかなかこういうのって難しいですね
時間がないので以上で終わりです
2018/07/28